出版社:講談社 著者:小林武彦
発行:2023年06月
お釈迦さまは「人生は苦である」として、「生老病死」の四苦を示されたが、生物学の視点から捉えてみると、老いも死も苦しいものではないらしい。生物学者の著者曰く、「ヒト」の死は進化のためにあるもので、「死」を意識し「公共」を意識するために「老い」が訪れると説く。何やら哲学的な話になってきたが、ヒト以外の生物の老化期間が短いことを考えると、老いてからも生きつづける期間があることは、ヒトにとって何か意味がありそうだ。老いたヒト-シニアが集団に自己の居場所を見つけ、公共的・利他的に過ごすことができる社会は安定し、選択されて生き残ってきた。ヒトの老化と死を新しい視点から考察できる一冊。
※12/25(月)、2023年度 九経調交流会「ヒトはなぜ老い、そして死ななければならないのか~生物学者が語る新たな死生観~」に著者である小林武彦氏をお招きし、ご講演いただきます。
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BIZCOLI 近藤孝子
表紙は講談社サイトから引用