出版社:慶應義塾大学出版会 著者:クラウディア・ゴールディン(著) 鹿田昌美(訳)
発行:2023年04月
私は子育ての経験がある。この経験は自分の人生において非常に価値あるものであり後悔はないが、キャリアや生涯賃金を考えると、他により良い選択肢があったのではないかと思う。本書は20世紀以降を5つの時期に分け、各時期ごとに女性のキャリアと家庭の両立について分析している。「子育て」と「キャリア」の選択に直面する葛藤への理解を深めるだけでなく、女性の賃金格差に光を当て、その解決に向けた示唆を与えている点が特筆されよう。著者が2023年にノーベル経済学賞を受賞したことからも、働き方におけるジェンダー格差を見直す必要性を示唆している。現代社会における男女の労働に関する深い洞察を提供する一冊。
BIZCOLI 近藤孝子
表紙は慶應義塾大学出版会サイトから引用