出版社:ニューズピックス 著者:高橋祥子
発行:2021年1月
今日の小さな行動が、10年後、20年後にどう影響するのか、深く考えたことはあまりなかったが、本書を読んだ後、1つ1つの行動に、自分はどれほど主体的に考え行動しているだろうかと焦りを覚えた。遺伝子研究者、そして遺伝子解析ビジネスを推進する起業家でもある著者が、生命科学の視点から、人々の行動や企業経営を紐解いている。生物学的に見て、思考するということは、多くのエネルギーを消費する行動であり、思考しなくても良い環境であれば、生物はエネルギー効率を高めるために思考しないという選択を無意識にするという。しかし、思考するという非効率な行動こそが、これまでも、これからも進化を続けるために人間にとって唯一の希望であると筆者は言う。視野を広く思考するためにも、時間軸と思考枠のバランスを取ることが重要と感じた。
事業開発部次長兼BIZCOLI館長 平田エマ
表紙はニューズピックスアカデミアサイトから引用