出版社：幻冬舎　前田裕二著

発行：2018年12月

2020年に入っても尚、ベストセラーに名を連ねる本書。タイトルならぬ本書の魔力は何処にあるのか－その内容は実にシンプルで、「具体的事実（ファクト）→抽象化→転用」をメモにひたすら書き記し続ける事の重要性を説いている。前田氏自身が記したメモの写真や、巻末に「自分を知るための自己分析1000問」が掲載されており、一読しただけでもすぐに取り組みやすくなっている。しかし、一読するは易く、継続して行うことは実に難しいように感じてしまう。そもそも、メモは何故必要なのか。大きなトレンドや世の流れとして、著者は『「個」へのフォーカス』を予測する。このトレンドの中で生きていく為に、個－すなわち自分は何者なのか、何が強みでどういった事をやりたいのかを見つけることが重要で、その為には自分に質問し、答え、抽象化→転用まで行う事により、自分が何をすべきか見えてきて、驚くほど動きやすくなると説く。自己分析の重要性を説いたり、質問の本は数あれど、質問一つ一つを抽象化→転用と昇華させていくという、新しい視点が身につく一冊。

BIZCOLI　近藤孝子

表紙は幻冬舎サイトから引用