出版社:学芸出版社 編著:谷口守
著者:片山健介 斉田英子 高見淳史 松中亮治 氏原岳人 藤井さやか 堤純
発行:2019年12月
人口減少と、経済低迷によって、日本は社会全体が「右肩下がり」になり、これまで「右肩上がり」前提で構築された様々な仕組みの再編に迫られている。まちづくりの分野において近年注目を集めているのがコンパクトシティである。生活利便性確保、環境負荷削減、社会基盤有効活用など、そのメリットは多岐にわたり、ヨーロッパでは1990年代から取り組まれてきた一方で、日本では2010年代の法制化によって動き始めたばかりである。本書では、肥満化した成人病患者のダイエットに例えられるコンパクトシティ化に時間をかけて取り組み、成果を上げてきた世界の都市の事例を整理している。本質的課題の筆頭として公共交通の活用があげられており、公共交通単体の黒字化や都市構造単独に合わせるのではなく、実際に機能するための具体策を考えることの重要性が強調されている。
事業開発部次長 平田エマ
表紙は学芸出版社から引用