出版社:九州地域づくり協会 著者:土木遺産活用策検討委員会
発行:2023年03月
毎年のように起こる自然災害に胸を痛める昨今だが、厳しい自然環境や土地の制約を乗り越える技術や先人の英知を結集し、築き上げてきた「土木遺産」に焦点をあてた、今までとは違う視点の旅のススメが本書である。長崎の眼鏡橋をのような観光名所だけではなく、観光地として認識していない、ふだん何気なく利用しているトンネルや橋なども選定されている。美しい写真と丁寧な解説文からは、著者達の土木愛がにじみ出ているようだ。編者曰く、土木遺産な旅は、土木遺産を経巡り、歴史をたどることで、地域の本質的価値を知り、ともに旅する人びとと対話することで、未来を継承する学びを紡ぐことができる旅である。コロナ禍においてマイクロツーリズムの需要が高まってきたが、晩夏を迎え、暑さが和らぐこの時期に、身近な用・強の美を訪ねてみては如何だろう。
BIZCOLI 近藤孝子
表紙は九州地域づくり協会サイトから引用