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22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる

2022.10.4

出版社:SBクリエイティブ  著者:成田悠輔

発行:2022年07月

なんとも不穏なサブタイトルだ。憲法第43条によれば、「全国民を代表する選挙された”議員”」で国会を構成すると記載されている。(※1) 私達の代表である議員-政治家が、ネコになるとは!しかし、政策を自分の言葉で語れない候補者や、当選しても国会を欠席し続ける議員、国会中継で映し出される居眠りする議員・・頑張っていらっしゃる方がほとんどだとは思うものの、前回の参院選を見ていると、あながち突拍子もない提案でもない気がする。

視点を変えてみると、私達が日々使う商品やサービスは、ここ20~30年で別世界になった。固定電話や公衆電話が減り、相手の電話番号を知らずともSNSで繋がっていれば、ギフトを贈ることもできる世界。めざましい技術発展は生活やコミュニケーションに変化を与えたが、投票や選挙のやり方は何十年間もほぼ変わっていない。即ち、情報通信環境が激変したにもかかわらず、選挙の設計と運用がほとんど変化できていない事が問題なのである。数十年前までは、問題を解決する具体的で技術的に実現可能な代替案が出せなかったが、今は違う。意思決定のために使える情報・データの質量や計算処理能力は格段に向上し、それを使って意思決定するアルゴリズムを支えるアイデアや思想・理論も貯まってきた。著者はそれらを繋ぎ合わせた「無意識データ民主主義」を提案している。荒唐無稽かと思わせて、政治に関する関心を呼び起こし、新たな視点を与えてくれる一冊。

BIZCOLI 近藤孝子

表紙はSBクリエイティブサイトから引用

※1 日本国憲法第43条 第四章 国会 第四十三条「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」

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