奈良・斑鳩の中宮寺は、聖徳太子とその母である間人皇女(はしひとのひめみこ)にゆかりある尼寺です。飛鳥時代(7世紀)につくられた本尊の国宝菩薩半跏思惟像(伝如意輪観音)は、その美しさから多くの人々に愛されています。
そのご本尊を初めて九州にお迎えして開催される本展では、中宮寺の歴史をご紹介するだけでなく、仏像としてはとてもユニークな姿である半跏思惟像のルーツを、仏像発祥の地ガンダーラにまでたどります。古代アジア各地の仏教信仰のつながりは一体どんなものだったのでしょう。
美術に詳しい方は、「中宮寺の弥勒(みろく)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。今、ご本尊は如意輪観音(にょいりんかんのん)として信仰されています。なぜ2つの名前があるのでしょう。セミナーではその謎にも迫ります。